
春や夏に花の周りを忙しく飛び回るミツバチは、寒い時期になると活動を止め、巣の中で静かに越冬します。その間のミツバチの食糧となるのが、春と夏の間に蓄えておいた「ハチミツ」です。
春や夏の間ミツバチは花粉と花の蜜を食べますが、冬の間はハチミツが唯一の食糧となります。そのほかにもハチミツは断熱材として巣を寒さから守る役割がありますし、ミツバチの幼虫もハチミツを食べて育ちます。
人間にとってハチミツは甘味料の中の一つにしかすぎませんが、ミツバチにとっては無くてはならないものなのです。
もしかしたら、あなたは次のように思っているかもしれません。
「ハチミツは『昆虫』が作ったものでしょ?ヴィーガンが食べないのは『動物』が生産したものなんだから、ハチミツは食べてもOKなんじゃないの?」
実は、ミツバチは「動物」なのです。昆虫目に属し、内部背骨を持たない動物である「無脊椎動物」に分類されているのです。そのためヴィーガニズムの定義でも、ハチミツはヴィーガン食品ではないと定められています。
しかしヴィーガンがハチミツを食べない理由はそこではありません。
ヴィーガンは、ハチミツはミツバチがミツバチのために作ったものであり、人間が横取りして良いわけがないと思っているのです。
本日はヴィーガン歴15年以上の双子が、「なぜヴィーガンはハチミツを食べないのか」について詳しく解説いたします。

- 料理人
- ヴィーガン歴15年以上
- NZ国立Toi Ohomai工科大学とWaikato工科大学で2年間料理を学び、同国のレストランで4年間修業
ヴィーガンがハチミツを食べない3つの理由

ヴィーガンがハチミツを食べない理由は、次の3つです。
- 養蜂で使役されるミツバチを解放するため
- 品種改良されたミツバチによるエコシステムの破壊を止めるため
- ハチミツに含まれる天然毒素から体を護るため
それでは、一つずつ解説します。
理由① 養蜂で使役されるミツバチを解放するため

人類は約9000年という長きに渡り「ハチミツ」を摂取してきました。つまり人間は9000年前から現代まで、永遠とミツバチを搾取し続けているということです。
ハチミツには、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、タンパク質、フラボノイド、ポリフェノール、アルカロイドなどの栄養素が豊富に含まれているため、古くから民間薬として以下のような症状の改善に使用されてきました。
喉の痛み
喘息
目の病気
結核
肝炎
めまい
便秘
虫下し
湿疹
傷の治療
潰瘍
しかしここで気づくべきことは、ミツバチはこの栄養豊富な液体を人間のために作っているのではないということです。
ミツバチがハチミツを作るのは、花の蜜を採取できない時期(雨などの悪天候や冬の間)の食糧として蓄えておくためです。この越冬のための備蓄を奪ってしまったら、ミツバチは飢え死にするしかありません。
ミツバチはハチミツをどうやって作っているのか
ハチミツはミツバチが集めた単なる「花の蜜」だと思われていますが、実際はもっと複雑な工程を経て生産されています。
以下に、「ハチミツがどのようにして作られているか」を簡単に説明します。
- ミツバチは花の蜜を求めて、小さな体で5kmもの距離を飛んで行きます。(ミツバチの羽は毎秒230回も羽ばたきます!)
- そして花に辿り着くと細長い舌を使って蜜を吸い、胃とは別の「ハチミツ用の胃袋」に溜めておきます。
- 一度の飛行(約1時間)で1500本以上の花々を訪れ、自分の体重と同じくらいの量の蜜を集めたら巣に戻ります。これを1日に10回以上繰り返します。ちなみにミツバチの労働時間は1日12時間です。
- ミツバチは巣へ戻る最中に、蜜で満タンになった「ハチミツ用の胃袋」に酵素を分泌して化学組成とpHを変換し、花の蜜から長期保存に適したハチミツへと変え始めます。
- そして巣に到着すると、帰りを待っていた他のミツバチに「ハチミツの胃袋」の内容物を嘔吐して口移しで渡します。嘔吐液を渡されたミツバチはそれを食べながらさらに酸と酵素を混ぜて糖を分解します。
- この嘔吐液のリレーを繰り返し行うことで水分を抜き、いい具合に濃縮できたら、蜜蝋でできた樽(ハニーコム)に吐き出します。
- まだこの状態では完成でなく、巣にいるミツバチは羽を動かし続けて樽に風を送り、さらに嘔吐液の水分を飛ばします。最初は70~80%の水分がありますが、このプロセスにより水分は18%くらいに減少します。
- 約5日かけてねっとりとした濃厚な液体に仕上がったら、腹部の下にある腺から分泌した蝋(蜜蝋)でフタをし、寒さが厳しい冬の期間のために備蓄しておきます。
- このようにして作られた液体が「ハチミツ」です。ハチミツは高濃度の糖分(果糖・ブドウ糖)なので、細菌やカビが繁殖できません。よってハチミツは腐敗することなく無期限に保存できるのです。
次の動画で「ミツバチがハチミツを作る様子」をご覧いただくと、さらに理解が深まります。
(上映時間:6分32秒)*自動翻訳機能あり
一般的なミツバチの巣(2~8万匹)では、ミツバチや幼虫がひと冬を越すのに40kg以上ものハチミツが必要です。
1匹のミツバチが、5~7週間の生涯で生産できるハチミツの量は小さじ12分の1なので、97,384匹のミツバチが生涯をかけて、越冬のために40kgのハチミツを生産していることが分かります。
3種類のミツバチ
ミツバチの巣には3種類の蜂がいて、それぞれ違った役割を担っています。
- 女王蜂…卵を産むのが仕事。1日に1500~2000個の卵を産む。
- オスの蜂…生殖のために存在している。自然界では女王蜂と一度の交配のあとに命を落とす。寿命はたったの数週間。
- メスの蜂…幼虫の世話、女王蜂の世話、花粉や蜜の採取、巣の防衛、巣の温度調節、巣作りなど、幅広い仕事を担う。
1つの巣には、1匹の女王蜂がいます。女王蜂になる幼虫にはロイヤルゼリーを食べさせ、成長して女王蜂になった後も一生これだけを食べ続けます。そのお陰で他のメスの蜂よりも体が大きくなり、寿命も3~5年と長くなります。
ロイヤルゼリー:若いメスの蜂が花粉や蜜を食べて体の中で分解・合成し、咽頭線から分泌する乳白色のトロトロした物質のこと。
ミツバチは痛みを感じるのか?
40年以上にわたりミツバチを研究してきた、昆虫学者のスティーブン・バックマン氏による著書『What a Bee Knows(ミツバチが知っていること)』では、次のように説明されています。
ミツバチは楽観主義、欲求不満、遊び心、恐怖など、哺乳類によくみられる特徴に似た感情を示すことができる。
またミツバチは、PTSDのような症状を経験したり、さまざまな人間の顔を認識したり、睡眠中に長期記憶を処理したり、夢を見たりすることもできる。
ミツバチには自己認識があり、感覚があり、原始的な形の意識を持っている可能性があり、考えて問題を解決することもできる。
ミツバチの脳には「オピオイド快楽中枢」があることが発見されている。
Stephen Buchmann『What a Bee Knows』(2023)
つまりミツバチには感覚も感情もあるため、痛みを感じることができるのです。
ミツバチの巣全体が滅んでしまう「コロニー崩壊障害」の原因は、主に農薬の使用にあるとされていますが、バックマン氏は「工業養蜂の残忍な飼育環境によって引き起こされる心理的ストレスによるもの」と主張しています。
売買される女王蜂
ミツバチは、女王蜂がいなければハチミツを作りません。そのため養蜂家は、女王蜂を通販などで購入します。
女王蜂は数匹の働き蜂と一緒に小さな箱に詰め込まれメールで送られますが、その環境は非常に過酷で、多くが輸送中にケガをしたり死んだりします。
次の動画は、女王蜂がメールで送られてくる様子です。
(上映時間:2分51秒)
女王蜂の人工授精のやり方
養蜂場の女王蜂は、人工的に授精されます。
- まず、8~12匹のオスの蜂を潰して精液を採取する。
- 女王蜂が動けないように特別に作られた機械に挟み、採取した精液を女王蜂の体内に注入して授精させる。
次の動画は、女王蜂への人工授精の様子です。
(上映時間:1分44秒)
自然界での女王蜂は、約5年間生きて子を産みながら巣を繁栄させますが、養蜂場の女王蜂は1年で殺されて、若い女王蜂に買い換えられます。
養蜂は次の理由から、「酪農と似ている」と言われています。
- どちらも「雌」に人工授精を行って妊娠させる。
- 「雄」は精子を採ったあとに殺される。
- 生産したものはすべて人間によって奪われる。
利用するだけ利用して、用が済んだら殺すところが、養蜂と酪農(と鶏卵)に共通しています。
ミツバチは、女王蜂を置き去りにして逃げることができない
養蜂家たちは採蜜のときに養蜂箱に燻煙をかけます。その理由は「ミツバチを落ち着かせるため」だそうですが、実際はそんな優しい理由ではありません。
本当の理由は、ミツバチに「巣が火事になった」と勘違いさせるためです。
ミツバチは「火事の煙」に混乱しながらも、できる限りのハチミツを飲み込んで、巣からの脱出を試みます。なぜミツバチがハチミツを飲んでから巣を離れようとするのかというと、新たな場所を見つけて再び巣を作るときにハチミツが必要だからです。
しかし養蜂場のミツバチが巣を去ることはありません。取り乱しながらも養蜂箱を離れず、ブンブンと周りを飛び回っています。早く逃げて!と思うのですが、ミツバチには逃げられない理由があるのです。
それは「女王蜂を置き去りにはできない」という習性です。
養蜂家はこのことを知っているので、女王蜂の羽をあらかじめ切っておきます。羽の無い女王蜂は飛んで逃げることができません。そのためミツバチは、どんなことがあっても巣箱から離れようとはしないのです。
煙で感覚を麻痺させられながらも、必死で巣にしがみついているミツバチの体を、容赦なく採蜜機械が押しつぶしてゆきます。巣を護るために養蜂家を刺し、死んでゆくミツバチもいます。
養蜂家はハチミツの収穫を終えると、空になったハニーコム(蜂の巣)を巣箱に戻します。巣にハチミツが一滴もないことを感知したミツバチは、再び巣をハチミツで満タンにするために、小さな体を酷使して飛び立っていきます。
これが養蜂家に「処分される日」まで、永遠と続けられるのです。
次の動画で、大規模養蜂農場の採蜜の様子をご覧ください。
(上映時間:1分16秒)
次の動画は、ハチミツ工場でのハチミツの収穫から瓶詰めまでの様子です。
(上映時間:10分59秒)
巣箱とミツバチは毎年処分される
夏が終わりに近づき、すべてのハチミツの収穫が終わると、多くの養蜂農場では巣箱をミツバチごと処分します。
ミツバチを越冬させるためのエサ代や管理費用を考えると、処分して新たにミツバチと巣箱一式を購入した方が経費がかからないからです。
ミツバチの処分方法はいくつかあります。
- 巣箱を密閉してガソリンを注ぎ、火をつけてミツバチを焼き殺す。
- 巣箱の中に石鹸水を満タンに入れて、ミツバチを溺れ死にさせる。
- 巣箱に二酸化炭素ガスを吹きかけて、ミツバチを中毒死させる。
- ミツバチを大きなゴミ袋に詰め込んで太陽の元に放置し、窒息死させる。
巣箱とミツバチを処分せずに越冬させる養蜂農場もあります。
その場合、ミツバチの冬の食糧であるハチミツは養蜂家が奪ってしまっているので、代わりに抗生物質(オキシテトラサイクリン、テラマイシン)を加えた高果糖コーンシロップ、または砂糖水をエサとして与えて冬を越させます。
ハチミツと違いこのコーンシロップには、ミツバチの健康維持に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸や抗酸化物質などが一切含まれていません。そのためミツバチは栄養失調になり、免疫力が低下します。
ミツバチの免疫力が下がると農薬や殺虫剤に対する防御力が低下して遺伝子変異が発生し、巣内に病原性細菌や寄生虫が蔓延してミツバチの大量死を招く可能性があります。それを予防するためにシロップや砂糖水に抗生物質が混ぜられているのです。
養蜂で使用される抗生物質はハチミツに残留するので、現在世界中で問題になっている「抗生物質耐性(抗生物質が効かなくなる症状)」の原因になると言われています。
人間はミツバチの表情を読み取ることができないため、ミツバチの苦しみを理解することは難しく、酷使したり殺したりすることに何のためらいも感じません。
しかしヴィーガンはミツバチの苦しみをきちんと受け止め、ミツバチを残酷な養蜂から解放して、自由に自然界を堪能させてあげたいと思っているのです。
理由② 「品種改良されたミツバチ」によるエコシステムの破壊を止めるため

ミツバチの販売業者はミツバチを選別して品種改良し、ハチミツ製造と授粉の両方に使用できるミツバチを販売しています。
この「選択的育種」によって特定の対立遺伝子がより一般的になり、他の対立遺伝子が失われるため、遺伝的多様性の減少につながる可能性があります。つまり「ミツバチの遺伝子プールが狭くなってしまう」というわけです。
遺伝子プールが狭くなると免疫が弱まり、病原菌や寄生虫に感染しやすいミツバチになります。
そして病気に感染したミツバチが蜜を吸った同じ花から野生の蜂も吸うことで、病原菌や寄生虫が感染してしまいます。そのことが「野生の蜂の巣全体の崩壊」を引き起こしてしまうのです。
植物の「授粉者」と言えば誰もがミツバチを思い浮かべますが、自然界で活躍している授粉者には、鳥、コウモリ、蝶々、蛾、ハエ、カブトムシ、テントウ虫、小動物などたくさんいます。その中で一番活躍しているのが「蜂」の種族です。
授粉者の「蜂」にはミツバチのほかに、2万種類にも及ぶ「野生の蜂」がいます。
野生の蜂の世界では授粉する植物がそれぞれ決まっているため、品種改良されたミツバチよりも効率よく授粉することができます。
例えば1ヘクタールの林檎畑の授粉には何万匹ものミツバチが必要ですが、「林檎担当の野生の蜂(マイニングミツバチ、クマバチ)」ならば、たった数百匹で授粉が完了してしまいます。
以下に、野生の蜂が担当する植物をいくつかご紹介します。植物の名前をクリックすると、担当の授粉者について詳しく解説しているリンクに飛びます。
しかし最近では、野生の蜂がどんどん減少しています。その背景には、農薬や除草剤の使用、単一栽培、森林破壊、気候変動などがありますが、養蜂のために品種改良されたミツバチを大量生産していることも要因の一つとなっています。
世界中で問題になっている「蜜蜂の減少」を食い止めるために必要なのは、品種改良されたミツバチを増やすことではなく、野生の蜂がこれ以上減らないようにすることです。
野生の蜂が減少している一方で、養蜂用のミツバチは50年間で45%増加しています。
集団で採蜜活動をするミツバチとは違い、野生の蜂は個々で活動します。そのためミツバチが花の蜜を吸い尽くしてしまった地域には、野生の蜂が吸える蜜がほとんど残っていません。これにより野生の蜂たちが飢え死にしています。
野生の蜂が減少することで、彼らによって授粉されていた希少な植物も育たなくなり、その土地のエコシステムは破壊されてゆくのです。
ヴィーガンはハチミツを食べないことで需要を減少させ、養蜂工場が繁殖させる「品種改良されたミツバチ」の異常な増殖を阻止し、エコシステムを護ろうとしています。
理由③ ハチミツに含まれる天然毒素から体を護るため

ヴィーガンがハチミツを食べないのは倫理的な理由からですが、ハチミツには危険な側面があるため、健康面から見てもお勧めできません、
というのもハチミツには「天然毒素」が含まれていることがあり、摂取した場合、吐き気や嘔吐、低血圧、ショック症状などを引き起こし、重篤な場合は死に至る可能性があるからです。
ハチミツには花粉も含まれているため、花粉にアレルギーのある人が摂取すると、口腔粘膜のかゆみや、酷い場合はアナフィラキシーショックを引き起こしてしまいます。
以下に、ハチミツに含まれる天然毒素を3つご紹介します。
1)グラヤノトキシン
グラヤノトキシンとは、ツツジ科の植物(シャクナゲ、ピエリス、アガリスタ、カルミア)の蜜に含まれる神経毒。
これらの植物の蜜から作られたハチミツ(マッドハニー)にはグラヤノトキシンが含まれており、摂取した数時間後に中毒症状があらわれ、1~2日続く場合がある。
中毒症状は、めまい、かすみ目、脱力感、過剰な発汗、唾液分泌過多、感覚異常、吐き気や嘔吐、喉の灼熱感、手足のしびれ、胸痛、痙攣、低血圧、失神、意識障害、洞性頻脈などさまざま。
グラヤノトキシン中毒の症例は、トルコ、北米、韓国、日本、ネパール、ニュージーランド産のハチミツで報告されている。
2)ピロリジジンアルカロイド
ピロリジジンアルカロイドとは、6000種以上の植物に存在しているエキミジンやリコサミン、モノクロタリンなどの有毒化合物。
ミツバチがピロリジジンアルカロイドを生産する植物の花蜜を収集することで、ハチミツに天然毒素が混入する。
中毒症状は軽度の場合、吐き気や嘔吐、めまいなど。
ピロリジジンアルカロイドには肝毒性と発がん性があるため、摂取すると肝臓の急性および慢性毒性、肝硬変、肝臓がんなどの発症リスクを高める。
また、ピロリジジンアルカロイドは肝臓に静脈閉塞症を引き起こすこともあり、急性の場合は2週間で死に至る。
ピロリジジンアルカロイド中毒の症例は、アメリカ、ニュージーランド、中国、イタリア、ドイツ、ポーランド、スペイン産のハチミツで報告されている。
3)トゥティン
トゥティンとは、ニュージーランド原産の低木トゥトゥに含まれる植物毒素。
トゥトゥの樹液をエサとする昆虫(パッションバインホッパー)によって生産される甘露にトゥティンが含まれており、それをミツバチが吸うことでハチミツに混入する。
中毒症状は嘔吐やめまいなど軽度なものから、昏睡や死に至る重度なものまで多岐にわたる。
トゥティン中毒の症例は、ニュージーランドやオーストラリア産のハチミツで報告されている。
ハチミツは「健康食品の代表」のように扱われていますが、これらの天然毒素の危険性についてはあまり知られていません。
ミツバチにとっては危険でなくても、人間にとっては死に至るほど危険な可能性があります。倫理面から見ても、健康面から見ても、ハチミツはミツバチに残しておくべきなのです。
まとめ:ヴィーガンの目的は養蜂を衰退させて、苦しむミツバチの繁殖を阻止すること

今回は、「ヴィーガンがハチミツを食べない理由」について解説しました。
養蜂場ではハチミツだけでなく、以下のような「ミツバチによる生産物」もミツバチから奪っています。
- 蜜蝋・・・ミツバチの腹部にある蝋腺から分泌される物質。これをミツバチが口の中で嚙み続け唾液と混ぜ合わせて吐き出し巣を形成してゆく。
- ビーポレン・・・ミツバチが蜜を採取しているときに体に付着した花粉を足で集め、口から唾液の酵素を出してそれと混ぜて団子状にしたもの。ミツバチの主要なタンパク源であり幼虫も成虫もこれを食べる。越冬するための保存食にもなる。
- プロポリス・・・ミツバチが木の芽、樹液、その他の植物から集めた樹脂を自ら出す分泌物と混ぜて作る樹脂製混合物。プロポリスには殺菌効果があり、ミツバチはこれを巣箱の表面に塗って高温多湿の巣内での細菌の繁殖を抑えている。ちなみにプロポリスを作るのはセイヨウミツバチだけ。
- ロイヤルゼリー・・・若いメスの蜂が花粉や蜜を食べて体の中で分解合成し、咽頭線から分泌する乳白色のトロトロした物質のこと。女王蜂候補の幼虫や女王蜂の食糧となる。
もちろん上記のものを、ヴィーガンが使用することはありません。
双子が不思議に思うのは、「昆虫は気持ち悪い」と言って毛嫌いする人たちが、その昆虫の嘔吐物であるハチミツを喜んで食べていることです。
大嫌いなはずの昆虫が吐き出した「甘い嘔吐物」を得るために養蜂家にお金を払い、女王蜂の羽を切って幽閉し、雄のミツバチを潰して殺し、雌のミツバチを死ぬまで酷使しているのです。
甘味料のためにミツバチを苦しめずとも、ハチミツの代替え品なら以下のような商品が揃っています。
- メープルシロップ
- 黒蜜
- オリゴ糖
- 米飴
- 玄米シロップ
- アガベシロップ
- モラセス
- ゴールデンシロップ
- デーツシロップ
- りんごジャム(透明)
ただし、甘味料にハチミツの持つ複雑で独特な風味はありません。
そこで双子は数種類の甘味料を混ぜ合わせて使っています。いろんな植物の蜜が合わさることで、複雑なハチミツ風味になるのでおすすめです。
【即席ヴィーガンハニー】
アガベシロップ:大さじ2
メープルシロップ:大さじ1
モラセス:小さじ1/2~1
レモン汁:小さじ1/2~1
りんごジャム(透明):大さじ1
作り方:材料をボールに入れてよく混ぜ合わせる。
*オレンジフラワーウォーターやローズウォーターを小さじ1/2加えると、華やかな風味のハニーになります。
*オレガノオイル(食用)を1/2滴加えると、ウッディな風味のハニーになります。
1匹のミツバチが一生かけて作るハチミツの量は、たったの小さじ12分の1です。
12匹のミツバチが一生かけて集めた蜜が、たった小さじ一杯のハチミツになります。
たった一口で終わってしまう量が「12匹分のミツバチの全生涯」なのです。
ヴィーガンは「ほかの生きものに迷惑をかけない」をモットーにしています。ミツバチが頑張って作ったハチミツを食べるという行為は、「ほかの生きものに多大なる迷惑をかけている」ということになります。
9000年間も続いている養蜂文化を衰退させるのは一筋縄ではいかないでしょうが、ヴィーガンがハチミツを食べないことで少しずつでも需要を減少させ、苦しむミツバチの繁殖を阻止したいと思っています。

なんでみんな「コオロギは食べたくない!」って言うのに、「ミツバチの嘔吐物」は喜んで食べるのかな?両方とも昆虫(無脊椎動物)なのに不思議だね。
ヴィーガンが動物性食品を食べない理由は、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。