ヴィーガンが食べられない食材は、肉、魚介、卵、乳製品、ハチミツ、昆虫、動物由来の食品添加物です。また、製造工程に動物由来の原料が使用されたワインやビールなどのアルコールも、ヴィーガンは飲むことができません。
本日は菜食料理人の双子が、「ヴィーガンは何を食べないのか」について詳しく解説いたします。
- 料理人
- ヴィーガン歴15年以上
- NZ国立Toi Ohomai工科大学とWaikato工科大学で２年間料理を学び、同国のレストランで４年間修業
ヴィーガンが食べられないもの一覧
ヴィーガンが食べられない（飲めない）ものは、次の７つです。
- 肉・肉加工品
- 魚介・水産加工品
- 卵・卵製品
- 牛乳・乳製品
- ミツバチの生産物
- 動物由来の食品添加物
- 製造工程に動物由来の原料が使われたアルコール
それでは、一つずつご紹介します。
① 肉・肉加工品
精肉
牛肉
豚肉
鶏肉
羊肉
馬肉
猪肉
七面鳥
鴨肉
アヒル肉
ウサギ肉
鹿肉
ヤギ肉
その他
牛脂（ヘット）
豚脂（ラード）
ホルモン
臓物
血
肉加工品
ハム
ソーセージ
ベーコン
ハンバーグ
ミートボール
つみれ
スパム
コーンビーフ
ジャーキー
その他
コンソメ
鶏がらスープの素
ブイヨン
牛肉だしの素
肉や肉加工品の代替え（ヴィーガンミート類）は、ネット通販で簡単に探すこことができます。
ヴィーガンが肉を食べない理由は、『ヴィーガンが肉を食べない理由｜動物たちの生きる権利を奪いたくないから』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
② 魚介・水産加工品
魚類
アジ
さば
マグロ
さんま
鮭
いわし
ししゃも
ぶり
かれい
鯛
ひらめ
にしん
ほっけ
しらす
じゃこ
ワカサギ
うなぎ
アナゴ
ドジョウ
甲殻類
蟹
海老
シャコ
オキアミ
軟体類
イカ
タコ
貝類
あさり
しじみ
はまぐり
サザエ
牡蠣
つぶ貝
ホタテ
アワビ
ムール貝
ホッキ貝
棘皮動物類
ウニ
ナマコ
魚卵
いくら
すじこ
たらこ
明太子
キャビア
練り製品
ちくわ
かまぼこ
伊達巻き
はんぺん
さつま揚げ
その他
白子
からすみ
ふかひれ
かつお節
煮干し
でんぶ
干物
ナンプラー
ニョクマム
魚醬
オイスターソース
めんつゆ
だし入り味噌
日本には「見た目は野菜料理なのに魚の出汁が使われている」という料理が多いので、ご注意ください。
ヴィーガンが魚を食べない理由は、『ヴィーガンが魚を食べない理由｜魚は感情豊かな「動物」だから』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
③ 卵・卵製品
卵
鶏卵
ウズラの卵
ピータン
卵料理
茶碗蒸し
卵焼き
出汁巻き
錦卵
オムレツ
かに玉
スクランブルエッグ
卵豆腐
親子丼
天津飯
カルボナーラ
卵とじ
キッシュ
洋菓子
プリン
カステラ
ケーキ
マドレーヌ
シュークリーム
カスタードクリーム
クッキー
卵ボーロ
アイスクリーム
ババロア
スフレ
フレンチトースト
エッグタルト
その他
マヨネーズ
練り製品
天ぷらの衣
フライの衣
ほとんどの洋菓子には卵が使われているので、ヴィーガンは一般のケーキやクッキーなどを食べることができません。
ヴィーガンが卵を食べない理由は、『ヴィーガンが卵を食べない理由｜雌鶏を檻から解放し、雄ひよこを粉砕機から救うため』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
④ 牛乳・乳製品
「ベジタリアン対応」と表記された食品には乳製品が使われているので、ヴィーガンは食べることができません。
ヴィーガンが牛乳や乳製品を摂らない理由は、『ヴィーガンが乳製品を食べない理由｜雌牛と子牛を酪農という地獄から救うため』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
⑤ ミツバチの生産物
健康を謳った自然食品には、ミツバチの生産物が使用されていることが多く、「ヴィーガン対応だと思って買ったらハチミツが入っていた！」ということは良くあります。自然食品でも油断は禁物です。
ヴィーガンがハチミツやミツバチの生産物を食べない理由は、『ヴィーガンがハチミツを食べない理由｜ミツバチの唯一の食糧を奪いたくないから』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
⑥ 動物由来の食品添加物
ヴィーガンは、以下のような動物由来の食品添加物を避けます。
ヴィーガンが避けるべき添加物については、『【完全版】ヴィーガンは気をつけよう！動物由来の食品添加物一覧』の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
また、加工食品の中には「見た目はヴィーガンっぽい」けれど、実はヴィーガンではないトリッキーな商品があります。
- チョコレート：ダークチョコレートはヴィーガンの場合もありますが、一般のチョコレートには乳製品（カゼイン、ホエイ）が含まれています。
- グミ・マシュマロ：弾力のあるお菓子の多くには、ゼラチン（動物の皮膚、骨、腱などから抽出したもの） が使われています。
- 植物性生クリーム：牛乳由来の「カゼインナトリウム」が含まれている場合があります。植物性＝ヴィーガンではないので注意が必要です。
- 植物性ミート：「ヴィーガン」という表記のない植物性ミートには、原材料に卵や乳製品が含まれています。
- 植物性ヨーグルト・アイス：「ヴィーガン」と表記されてない限り、乳製品が含まれています。
- ウスターソース：海外のもの（伝統製法）には、原材料にアンチョビが含まれています。
- 赤い色の食品：食用赤色素の「コチニール色素」は昆虫のカイガラムシから抽出されています。
- カップスープ：野菜のカップスープや味噌汁には、動物や魚由来の原料が含まれています。
- パン：ソフト系のパン（食パンなど）には、原材料に乳製品や動物性油脂が使われています。
- 白砂糖：砂糖を白くする精製工程に、牛の骨炭が使用されています。
食糧の買い出し中は「必ず原材料を読む」クセをつけると、これらの商品を間違って買ってしまうことがなくなります。
⑦ 製造工程に動物由来の原料が使われたアルコール
ヴィーガンは、製造工程に動物由来の原料が使われたアルコールも避けます。
ワインやビールの多くは、ろ過や清澄に、卵白、貝殻、キチン（甲殻類）、アイシングラス（魚の浮き袋）、ゼラチン、カゼイン（牛乳に含まれるリンタンパク質）などを使用しています。
製造工程で使用された動物由来の原料はラベルに表示されないので、ネットで調べたり、製造元に問い合わせたりする必要があります。
飲みたいアルコールがヴィーガン対応かどうか調べるときには「Barnivore.com」を利用します。
「Is your booze vegan? （そのお酒はヴィーガン？）」の下の検索窓に、アルコールの銘柄を入力（英語で）して検索します。「○○ is Vegan Friendly」となっていたらそのアルコールはヴィーガンです。
アルコールの種類で検索したい場合は、グローバルメニューから選びます。表示された銘柄の横の四角が緑色なら「ヴィーガン」、赤色なら「動物性原料使用」、黄色なら「不明」を表わしています。
５万種類以上のアルコールを調べることができ、随時更新もされており、スタッフによって何度もチェックされているので安心です。
まとめ：ヴィーガンは、すべての動物性食品を食べない
今回は、「ヴィーガンが食べられない食材」についてご紹介しました。
ヴィーガン食を始めたばかりの頃は、間違えて動物性食品を買ってしまうこともあります。
特に加工食品には動物由来の食品添加物が使われていることが多々ありますので、前述した『【完全版】ヴィーガンは気をつけよう！動物由来の食品添加物一覧』の記事を参考にして、食糧の買い出しをしてください。
カフェやレストランで「ヴィーガン」と書かれたメニューを頼むときも、必ずお店の人に「本当にヴィーガン対応ですか？動物性のものは含まれていませんか？」と尋ねてください。
これはなぜかというと、双子が以下のような経験をたくさんしているからです。
- 「ヴィーガン」のシールが貼られた「ターキー・サンドウイッチ」を買って食べたら、本物のターキー（七面鳥）が挟まっていた。
- 「ヴィーガン・レモンケーキ」を食べたら、上にかけられたソースが卵を使ったレモンカードだった。
- 「ヴィーガン・バーガー」を食べたら、本物のチーズが挟まっていた。
- 「ヴィーガンけんちん汁」を食べたら、汁にいりこだしが使われていた。
- 「動物性原料不使用のパン」を食べたら、パン型のくっつき防止にラードが使われていた。
＊これらはほんの一例です。
「ヴィーガン料理に使ってはいけない食材」を本当に知っている料理人はとても少ないのが現状です。そのため外食するときは、何重にもチェックする必要があるのです。
またヴィーガンの人に料理を提供するときには、すべての材料を何回もしっかりと確認して、間違っても動物性食品を使用しないようにお気をつけください。
双子「ヴィーガンは動くものと、動くものから出てきたものは食べない」って覚えておくと便利だよ！
ヴィーガンが食べられる食材については、『【菜食料理人が教える】ヴィーガンが食べられる食材一覧｜買い物リスト付き』で詳しく解説していますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。