人参のキャラメリゼとは、人参を素焚糖でキャラメライズすることで、人参の自然な甘味と素焚糖の香ばしさが絶妙に調和した一品です。
人参には100gあたり8600μgもの「ベータカロテン」が含まれており、これは体内でビタミンA(レチノール)に変換されるため、ヴィーガンにとって重要な「ビタミンAの供給源」となっています。
ベータカロテンが豊富な食材には、シソ(11000μg)、モロヘイヤ(10000μg)、とうがらし(7700μg)などもありますが、旬が限られていたり、使い道が少なかったりします。それに対して人参は一年中手に入り、さまざまな料理に利用できるので、最もおすすめの食材なのです。
今回ご紹介する「人参のキャラメリゼ」は、おかずとしてもおやつとしても楽しめます。ぜひお試しいただいて、ヴィーガンのビタミンA摂取量を向上させてください。
- 料理人
- ヴィーガン歴15年以上
- NZ国立Toi Ohomai工科大学とWaikato工科大学で2年間料理を学び、同国のレストランで4年間修業
人参のキャラメリゼの作り方
【人参のキャラメリゼの材料(2~3人分)】
人参:8本
エクストラバージンオリーブ油:大さじ 2
素焚糖:大さじ3
自然塩:小さじ1/4
黒コショウ:小さじ1/2
ドライタイム:小さじ1
クルミ:12かけ
レーズン:大さじ3
作り方① 人参を丸のまま蒸す
人参は良く洗い、皮を剥かず、丸のまま蒸し器で15~20分蒸します。
竹串が「ちょっと通りにくい」くらいの硬さでOKです。持ったら折れてしまうほど、完全に柔らかくしないように注意してください。
蒸し器の中で粗熱が取れるまで置いておきます。
作り方② 蒸した人参を半分に縦切りする
粗熱がとれた人参を縦に半分に切ります。
作り方③ 人参を油で焼く
人参の実の方を下にして5分焼き、裏返して5分焼きます。この動作を、人参の両面にしっかりと焦げ目がつくまで繰り返します。火力は中火~強火です。
作り方④ クルミとレーズンを焼く
人参をフライパンの端に寄せて、クルミとレーズンを中火で焼きます。
クルミがキツネ色になって、レーズンが焼けてまん丸く膨らんできたら、お皿に取り出しておきます。
作り方⑤ 素焚糖とタイムを加えてキャラメライズする
人参を再びフライパンに並べ、素焚糖、タイム、塩、コショウを振りかけて、中火で素焚糖を溶かしながら、人参をキャラメライズしていきます。
最初は素焚糖が溶けずにボソボソしていますが、加熱しているうちに溶けるので大丈夫です。
素焚糖が溶けてブクブクと煮立ち、こっくりとした艶がでてきたら、人参を絡めながらキャラメライズしていきます。
溶けた素焚糖が油と分離して、人参の表面が飴のようにテカテカしてきたら取り出して、器に盛りつけておきます。
作り方⑥ クルミとレーズンをキャラメライズする
フライパンに残った素焚糖のたれにクルミとレーズンを戻して、こちらも飴のように艶々なるまで中火で炒めます。
器に盛られた人参の上に、たれごとすべて振りかけたら完成です。
まとめ:ベータカロテンの宝庫「人参のキャラメリゼ」を食べて、ヴィーガンのビタミンA不足を予防しよう!
「甘い人参がおかずになるの?」「おやつに人参???」とびっくりされたかもしれませんね。
ですが、日本には甘く味付けされたおかずがたくさんありますし、人参はケーキやクッキーに普通に使われる食材ですので、違和感なく召し上がっていただけると思います。
人参を料理の脇役ではなく主役にすることで、ヴィーガンは必要量のビタミンAを難なく摂取できます。
- ビタミンAの1日の推奨摂取量・・・女性:650〜700μgRAE、男性:850〜900μgRAE
- ベータカロテンのビタミンAへの体内変換率・・・12:1(人参100gあたりのベータカロテン8600μgは、717μgのビタミンAに換算できる)
ぜひ、今回ご紹介した「人参のキャラメリゼ」をお試しいただき、ヴィーガンのビタミンA不足の予防にお役立てください。
これからも、さまざまな「簡単に作れるヴィーガンレシピ」をご紹介していきますので、『菜食双子』にまた遊びに来てくださいね。
タイムの代わりに「パンプキン・スパイス」を小さじ1加えると、クリスマスシーズンにおすすめの味になるよ。試してみてね!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。