ババガヌーシュとは、中東のレバント地方(トルコ、シリア、レバノン、イスラエル、エジプトなど)で広く親しまれている「焼きナスのディップ」のことです。
その起源は紀元1世紀に遡り、当時実在したキリスト教司祭「アル=バーバー・ガンヌージュ」の名前に由来すると言われています。
日本では、焼いたナスを潰して料理に使うことが一般的ではないため、「ナスのディップ」という発想は新鮮かもしれません。
しかし、ナスのつぶつぶとした食感と練りごまのコク深い風味は絶妙にマッチしており、日本のヴィーガンの方々にも、きっと気に入っていただけると思います。
ナスは栄養価が高く、カリウム、葉酸、ビタミンB6、食物繊維が豊富に含まれています。むくみ、貧血、肌荒れ、便秘などにお悩みのヴィーガンにとって、ババガヌーシュはおすすめの一品と言えるでしょう。
ぜひ「ババガヌーシュ」を、あなたのヴィーガンレシピのレパートリーに加えていただき、ヴィーガンの健康維持にお役立てください。
- 料理人
- ヴィーガン歴15年以上
- NZ国立Toi Ohomai工科大学とWaikato工科大学で2年間料理を学び、同国のレストランで4年間修業
ババガヌーシュの作り方
【ババガヌーシュの材料(2~3人分】
- ナス:5~6本(500~600g)
- 練りごま:1/4カップ(60g)
- 豆乳ヨーグルト:1/4カップ(50g)
- レモン汁:大さじ2
- ニンニクのすりおろし:2かけ
- 自然塩:小さじ1/2
- クミンシード粉:小さじ1/2
- パプリカパウダー:小さじ1/2
- エクストラバージンオリーブ油:1/4カップ(55g)
- コリアンダーのみじん切り:大さじ2*パセリで代用可
- コリアンダーのみじん切り(飾り用):適量*パセリで代用可
- クミンシード粉(飾り用):少々
- コリアンダーシード粉(飾り用):少々
- パプリカパウダー(飾り用):少々
作り方① ナスを焼いて皮を剥く
ナスをよく洗ったら水気を拭き、フォークを使って数か所に穴を開けます。
ナスを鉄板に並べたらトースターまたはグリルに入れ、皮が焦げてしなしなになって中身が柔らかくなるまで焼きます。
大きさによって焼き時間は異なりますが、だいたい15~20分で焼きあがります。
ナスの粗熱がとれたら、包丁でヘタの先を少し落とし、皮を指で掴んでスーッと下方向に降ろして剥きます。
もし皮が上手く剝けない場合は、ナスを縦半分に切って、実をスプーンでかき出しておきます。
ナスの皮には、強力な抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「ナスニン」が含まれています。
ナスニンには免疫力の向上やアンチエイジング、癌や生活習慣病の予防などの効果があると言われているので、捨てずに料理にお使いください。
刻んでスープの具にしたり、お好み焼きに入れたり、チャーハンに加えたり、いろんな使い方ができます。
作り方② ナスを包丁で叩いて細かくする
ナスをまな板に乗せ、包丁で叩いて細かくします。
フードプロセッサーを使ってもいいのですが、完全なペースト状にしてしまうと食感が無くなるので、つぶつぶが残るくらいに包丁で粗く刻むのがおすすめです。
作り方③ すべての材料を混ぜ合わせる
叩いて細かくしたナスに、練りごま、豆乳ヨーグルト、レモン汁、ニンニク、塩、クミン、パプリカを加え、よく混ぜ合わせます。
オリーブ油を少しづつ加えながらホイップするように混ぜ、フワフワで滑らかなペーストにします。
コリアンダーのみじん切りを加えて、よく混ぜます。
器に盛り付けてスプーンで溝を作り、オリーブ油を回しかけたら、クミンとパプリカを振りかけ、コリアンダーの葉を散らして完成です。
まとめ:いつものナス料理に飽きたら、ヴィーガンディップ「ババガヌーシュ」を作ってみよう!
ババガヌーシュは、中東の伝統的なパンである「ピタパン」につけて食べるのが一般的ですが、その他にもさまざまな食べ方ができます。
- 野菜スティックをディップする
- 蒸した野菜に和える
- サンドウィッチの具材にする
- ごはんにかける
- 茹でたパスタに絡める
- クラッカーに乗せる
- 揚げ物にかける(タルタル風)
いつものナス料理に飽きたら、ぜひ「ババガヌーシュ」をお作りいただき、あなたのヴィーガン食ライフを豊かなものにしていってください。
これからも、さまざまな「簡単に作れるヴィーガンレシピ」をご紹介していきますので、『菜食双子』にまた遊びに来てくださいね。
焼きナスの皮を剥いて叩いたものを冷凍しておくと、ナスが旬の夏や秋だけでなく、一年中「ババガヌーシュ」を楽しむことができるよ。試してみてね!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。