【ヴィーガン寿司】野菜だけでも立派な「にぎり寿司」が作れます

ヴィーガン握り寿司

寿司は世界的に有名な日本の伝統料理です。日本を離れたときに最も恋しくなる食べもののひとつに「寿司」の名前が上がるほど、多くの日本人にとって大切な「ソウルフード」となっています。

そんな日本人が愛して止まない「寿司」ですが、ヴィーガンになった途端に「かっぱ巻き以外の寿司が食べられなくなる」という悲劇に見舞われます。

「え?梅巻き、新香巻き、かんぴょう巻き、納豆巻きとかもあるじゃん」とお思いでしょうが、これらの細巻きに使用される具材や調味料には「動物性の原料」が含まれている場合があるので、慎重にならなければなりません。

しかしご安心ください。ヴィーガンでも「寿司」は食べられます。

もちろん、本物の魚介で作った寿司とは味も食感も違います。なので通常の寿司と思って食べると「なんだこりゃ!」となってしまいます。

そこで、ヴィーガン寿司作りに挑戦するあなたに、次の言葉を送ります。

ヴィーガン寿司は、「寿司を食べているという雰囲気」を楽しむもの。

これを頭の片隅に置いておけば、ヴィーガン寿司を心から味わうことができます。

ぜひ、酢飯と野菜のハーモニーに酔いしれながら、寿司への渇望を満たしてください。

この記事を書いた人
菜食双子
双子
  • 料理人
  • ヴィーガン歴15年以上
  • NZ国立Toi Ohomai工科大学とWaikato工科大学で2年間料理を学び、同国のレストランで4年間修業
目次

ヴィーガン握り寿司の作り方

今回は、以下の10種類のヴィーガン寿司をご紹介します。どれも簡単に作れますので、ぜひトライしてみてください!

  1. トマト漬け寿司
  2. 漬け人参寿司
  3. ナスの生姜焼き寿司
  4. 椎茸寿司
  5. ナスの辛子漬け寿司
  6. エリンギのアワビ風寿司
  7. ナスのアナゴ風寿司
  8. エリンギのホタテ風寿司
  9. 千枚大根寿司
  10. 納豆とオクラの軍艦巻

1)トマト漬け寿司

トマト漬け寿司

【トマト漬け寿司の材料(8貫分)】

  • トマト:2個(完熟ではない固めのもの)
  • 醤油:大さじ1/2
  • 本みりん:小さじ1
  • 酒:小さじ1
  • 昆布だし:小さじ1/6
  • エクストラバージンオリーブ油:大さじ1
  • 大葉:3枚

作り方①トマトの皮をむいて果肉を取り除く

皮をむいて下処理したトマト
皮をむいて、果肉の部分を取り除いたトマト

緑のヘタを取って、お尻に十字の切り込みを入れたトマトをボールに入れたら、トマトがかぶる位の量の熱湯を注ぎます。

そのまま20秒くらいおいて皮がめくれて来たら、冷水を張ったボールの中にポチャンと入れて、皮をするりと剥きます。

四つ切にして、ぐちゅぐちゅした果肉の部分を包丁で取り除きます(この果肉はサラダやスープに使えるので捨てないでください)。

作り方② トマトを漬けだれに漬け込む

スライスしたトマトを漬けダレに漬ける
漬けダレに一晩漬けておきます

漬けだれの材料のみりんと酒を耐熱容器に入れ、600Wのレンジで40秒~1分加熱してアルコールを飛ばします。

みりんと酒が冷めたら、醤油、昆布だし、オリーブ油を加えてよく混ぜておきます。

トマトをタッパーまたは袋の中に並べて入れ、漬けだれを注いだら、一晩冷蔵庫で寝かせて味を染み込ませます。

作り方③ トマトを酢飯の上に乗せる

漬けだれからトマトを取り出し、キッチンペーパーの上で軽く水気をとったら、20gに握った酢飯の上に乗せて形を整えます。

上に千切りにした大葉を飾り付けて出来上がりです。

2)漬け人参寿司

漬け人参寿司

【漬け人参寿司の材料(8貫分)】

  • 人参(大きめのもの):1本
  • 醤油:大さじ1
  • レモン汁:大さじ2
  • 素焚糖:小さじ1
  • 昆布だし:小さじ1/4
  • ガーリックパウダー:小さじ1/2
  • 水:50g
  • エクストラバージンオリーブ油:大さじ1
  • 海苔:1/2枚(細かくちぎる)
  • きゅうり:少々(飾り用)
  • レモン:少々(飾り用)

作り方① 人参を丸のまま蒸してスライスする

蒸してスライスした人参
左:ラップで包んだ人参、右:蒸してスライスした人参

人参は皮をむき、水で濡らしてからラップで包み、600wのレンジで4分間加熱して柔らかくします。

ラップで包んだまま冷まし、人参が完全に冷めたら5ミリ厚さにスライスします。

人参の太さやレンジの性能により加熱時間が異なる場合があるので、4分後に硬さを確認し、まだ固いようなら30秒~1分追加で加熱してください。

作り方② 人参を漬けだれに漬け込む

漬けだれに漬けた人参
海苔が「海の風味」を演出します

別容器に漬けだれの材料(醤油、レモン汁、素焚糖、昆布だし、ガーリックパウダー、水、オリーブ油、刻んだ海苔)を入れてよく混ぜ合わせ、海苔がふやけてドロドロになるまで置いておきます。

もしブレンダーがあれば、漬けだれの材料をすべて入れて1分間ブレンドすると、簡単に海苔が細かくなってドロドロになります。

スライスした人参をタッパーまたは袋の中に並べて入れ、漬けだれを注いだら、一晩冷蔵庫で寝かせて味を染み込ませます。

作り方③ 人参を酢飯の上に乗せる

漬けだれから人参を取り出し、キッチンペーパーの上で軽く水気をとったら、20gに握った酢飯の上に乗せて形を整えます。

上に輪切りのきゅうりとスライスしたレモンを飾り付けて出来上がりです。

3)ナスの生姜焼き寿司

ナスの生姜焼き寿司

【ナスの生姜焼き寿司の材料(8貫分)】

  • ナス(小さめのもの):4本
  • こめ油:大さじ2
  • 醤油:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • 生姜のすりおろし:大さじ1
  • ガーリックパウダー:小さじ1/2

作り方① ナスを半分に切り、皮面に隠し包丁を入れる

ナスに隠し包丁を入れる
隠し包丁の幅は、2ミリがおすすめ

ナスのヘタを切り落とし、縦半分に切ったら皮面に隠し包丁を入れます。

すぐに焼いてしまうので、アクを抜く必要はありません。

作り方② ナスの生姜焼きをつくる

ナスを焼く
ナスの実がとろんとしてきたら出来上がり

フライパンにナスを入れ、上から油をかけてよく絡め、全体的に油でコーティングします。このとき火はまだつけていません。

ナスの皮面を下にして並べ、油が跳ねるので蓋をして中火で焼きます。3~4分経ったらナスを裏返し、実の方も焼きます。これを繰り返して、ナスにしっかりと火を入れます。

小さなボールに醤油、酒、生姜、ガーリックパウダーを入れて混ぜ、焼いているナスに回しかけてさらに1~2分焼き、醤油を吸わせます。

作り方③ ナスを酢飯の上に乗せる

ナスの生姜焼きを冷まし、20gに握った酢飯の上に乗せます。形を整えて出来上がりです。

4)椎茸寿司

しいたけ寿司

【椎茸寿司の材料(8貫分)】

  • 椎茸:8枚(軸をとる)
  • こめ油:大さじ1
  • 醤油:大さじ1
  • 素焚糖:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • 本みりん:大さじ1
  • 白ごま:適量

作り方① 椎茸の軸をとって焼く

椎茸を焼く
椎茸から水分が出て、焦げ目がついたらOK

油を熱したフライパンで、椎茸を両面しっかりと焼きます。

作り方② 甘辛だれで椎茸を煮る

椎茸を出汁で煮る
お弁当のおかずとしても使えます

甘辛だれの材料(醤油、素焚糖、酒、みりん)を鍋に入れ、火にかけて沸騰させます。そこに焼いた椎茸を加えて、たれが煮詰まってトロミが出るまで煮込みます。

ときどき裏返しながら、両面に味を染み込ませてください。

作り方③ 椎茸を酢飯の上に乗せる

椎茸を冷まし、15gに握った酢飯の上に乗せます。形を整え、上に白ごまを振りかけたら出来上がりです。

5)ナスの辛子漬け寿司

ナスの辛子漬け寿司

【ナスの辛子漬け寿司の材料(8貫分)】

  • ナス(長いもの):2本
  • S&B本生本辛子:大さじ1/2
  • 素焚糖:大さじ1
  • 酢:大さじ1
  • 醤油:大さじ1/2
  • 生姜:一かけ(千切りにする)

作り方① ナスをスライスして、辛子だれに漬ける

スライスしたナスを辛子液に漬ける
辛子をもっと効かせたい場合は、量を増やしてください

ナスを5ミリ厚さに縦にスライスして、袋に入れます。

別容器に辛子だれの材料(辛子、素焚糖、酢、醤油)を入れてよく混ぜます。

ナスを入れた袋に辛子だれを加えて優しく揉み込んだら、袋の空気を抜いて縛り、2~3時間くらい冷蔵庫で寝かせて味を染み込ませます。

作り方② ナスを酢飯の上に乗せる

辛子だれからナスを取り出し、キッチンペーパーの上で軽く水気をとったら、20gに握った酢飯の上に乗せて形を整えます。

上に生姜の千切りを飾り付けて出来上がりです。

6)エリンギのアワビ風寿司

エリンギのアワビ風寿司

【エリンギのアワビ風寿司の材料(8貫分)】

  • エリンギ:4~6本
  • こめ油:大さじ2
  • 醤油:大さじ1と1/2
  • 素焚糖:大さじ1と1/2
  • 酒:大さじ1と1/2
  • 本みりん:大さじ1と1/2
  • レモン汁:小さじ1
  • 海苔:1/2枚(幅1cm・長さ15cmのひも状に切る)

作り方① エリンギをスライスして焼く

エリンギを焼く
焼き過ぎると、傘の部分が硬くなります

エリンギは5ミリ厚さにスライスし、油を熱したフライパンで両面がキツネ色になるまで焼きます。薄いので、焼き過ぎないように気をつけましょう。

作り方② 甘辛だれでエリンギを煮る

エリンギをだし汁で煮る
コリコリとした食感が楽しめます

甘辛だれの材料(醤油、素焚糖、酒、みりん)を鍋に入れ、火にかけて沸騰させます。そこに焼いたエリンギを加えて、たれが煮詰まってトロミが出るまで煮込みます。

最後にレモン汁を加えて混ぜ、味をなじませます。

作り方③ エリンギを酢飯の上に乗せる

エリンギが冷めたら3枚づつ重ねます。20gに握った酢飯の上に乗せ、細く切った海苔を巻いて固定したら出来上がりです。

7)ナスのアナゴ風寿司

ナスのアナゴ風寿司

【ナスのアナゴ風寿司の材料(8貫分)】

  • ナス(長いもの):3本
  • こめ油:大さじ2
  • 醤油:大さじ1と1/2
  • 素焚糖:大さじ1と1/2
  • 酒:大さじ1と1/2
  • 本みりん:大さじ1と1/2
  • 昆布だし:小さじ1/2
  • ワサビ:適量

作り方① ナスをスライスして焼く

スライスしたナスを焼く

ナスのヘタを切り落とし、1センチ厚さに縦にスライスします。すぐに焼いてしまうので、あく抜きをする必要はありません。

フライパンに油を熱し、ナスを並べて中火で焼きます。3~4分経ったら裏返してもう片面も焼き、これを繰り返しながら両面がきつね色になるまで焼きます。

お皿の上に取り出して冷ましておきます。

作り方② ナスの上に塗る「つめ」をつくる

あなごのつめ
このくらいトロッとすればOK

同じフライパンに「つめ」の材料(醤油、素焚糖、酒、みりん、昆布だし)を入れ、沸騰させて、シロップのようなとろみが出るまで煮詰めます。

作り方③ ナスを酢飯の上に乗せる

20gに握った酢飯の上にナスを乗せ、「つめ」をたっぷりと塗り、上にワサビを飾ったら出来上がりです。

8)エリンギのホタテ風寿司

エリンギのホタテ風寿司

【エリンギのホタテ風寿司の材料(8貫分)】

  • エリンギ:4~6本
  • 本みりん:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • 醤油:大さじ1
  • 昆布だし:小さじ1/2
  • 黒コショウ:小さじ1/2
  • ガーリックパウダー:小さじ1
  • 片栗粉:大さじ5~6
  • こめ油:適量
  • レモン:1/2個
  • 粗びき黒コショウ:少々

作り方① エリンギをスライスして、漬けだれに漬ける

エリンギを漬けだれに漬ける
エリンギを輪切りにすると、ホタテみたいな食感になります

エリンギを1cmの厚さに輪切りして、袋に入れます。

別容器に漬けだれの材料(みりん、酒、昆布だし、塩、黒コショウ、ガーリックパウダー)を入れてよく混ぜ、エリンギの入った袋に加えて優しくなじませたら空気を抜いて縛り、2~3分寝かせます。

このとき10分以上寝かせてしまうと、キノコから水分が出て食感が変わってしまうのでご注意ください。

作り方② エリンギを揚げる

エリンギを揚げる
揚げたては、ビールに合います

漬けだれからエリンギを取り出してボールに入れ、片栗粉を振りかけて全体的にまぶします。

フライパンに2cmくらいの油を入れて170度に熱したら、エリンギを加えてキツネ色になるまで揚げ焼きします。

作り方③ エリンギを酢飯の上に乗せる

20gに握った酢飯の上にエリンギを2個づつ乗せ、レモンスライスと黒コショウを飾ったら出来上がりです。

9)千枚大根寿司

千枚大根寿司

【千枚大根寿司の材料(8貫分)】

  • 大根:1/4本
  • 自然塩:小さじ1
  • 酢:大さじ1
  • レモン汁:大さじ1と1/2
  • 素焚糖:大さじ2
  • 昆布だし:小さじ1/6
  • レモン:1/2個(スライスにする)

作り方① 大根をスライスして塩に漬ける

薄くスライスした大根
裏が透けるくらいの薄さです

大根は皮をむいてから1ミリ厚さのスライスにし、塩をまぶして10~20分置いて水分を出します。

水が出て大根がしなしなになったら軽く絞り、袋に入れておきます。

作り方② 大根を漬けだれに漬ける

スライスした大根を甘酢に漬ける
冬はレモンの代わりに柚子がおすすめ

別容器に漬けだれの材料(酢、レモン汁、素焚糖、昆布だし)を入れてよく混ぜます。

大根の入った袋に加えて優しくなじませたらレモンスライスを加え、空気を抜いてから縛り、冷蔵庫で一晩寝かせます。

作り方③ 大根を酢飯の上に乗せる

大根を三枚に重ねて、20gに握った酢飯の上に乗せます。漬けだれに入れておいたレモンスライスを飾ったら出来上がりです。

10)納豆とオクラの軍艦巻

納豆とオクラの軍艦巻

【納豆とオクラの軍艦巻の材料(8貫分)】

納豆:3~4パック
オクラ:8本
醤油:大さじ1/2
昆布だし:小さじ1/4
ごま油:大さじ1/2
海苔:1~2枚(横6本に切る)

作り方①オクラを蒸す

オクラを蒸す
レンジ用蒸し器を使うと便利です

オクラを耐熱容器に入れて水を少々振りかけ、蓋またはラップをして600wのレンジで2分加熱します。

お皿に取り出して冷ましたら、5ミリ厚さの輪切りにします。

作り方② オクラと納豆に味付けをする

納豆とオクラ
もし余ったら、朝ご飯のお供にどうぞ

別容器にオクラと納豆を入れて、たれの材料(醤油、昆布だし、ごま油)を加えてよく混ぜます。

作り方③ 納豆とオクラを軍艦巻に乗せる

20gに握った酢飯の周りに海苔を巻いて「軍艦」を作ります。その中にオクラと納豆を入れて形を整えたら出来上がりです。

酢飯の作り方

酢飯
玄米の酢飯:1個20g

ヴィーガン握り寿司で使う酢飯の作り方です。もっと酢飯が必要な場合は、レシピを倍にしてください。

【酢飯(15~20貫分)】

  • 酢:大さじ4(60g)
  • 素焚糖:大さじ2(20g)
  • 自然塩:小さじ1/2(3g)
  • 昆布だし:小さじ1/4(1g)
  • ご飯:400g

容器にすし酢の材料(酢、素焚糖、塩、昆布だし)を入れて、よく混ぜ溶かします。

炊きたてのご飯にすし酢を回しかけ、しゃもじで切り混ぜます。ご飯の量が少ないので、うちわで扇ぐ必要はありません。

冷めたら1個20gの俵型に丸めます。このときギューっと握らずに、ふんわりとまとめる感じで握ってください。

もし炊きたてのご飯ではない場合は、一度レンジで熱々に温めてからすし酢を加えてください。

まとめ:想像力を発揮して、ヴィーガン寿司を作ってみよう!

10種類のヴィーガン握り寿司

海外では、びっくりするような食材が「ヴィーガンの寿司ネタ」として使用されています。

双子が一番驚いたのは「マンゴー寿司」ですが、海外のヴィーガンの「ぜったいに寿司を食べてやる!」という気概と想像力の豊かさには感動しました。

私たち日本のヴィーガンも、常識に囚われずにクリエイティビティを発揮して、もっとヴィーガン食を楽しむべきだと思います。

ヴィーガン寿司のアイデアは無限にあります。今回のレシピを参考にしてお作りいただいたあとは、あなたのアイデアで、あなただけの「ヴィーガン寿司」を作ってみてください。

これからも、さまざまな「簡単に作れるヴィーガンレシピ」をご紹介していきますので、『菜食双子』にまた遊びに来てくださいね。

双子

どんな食材でも握った酢飯に乗せれば「寿司」になるよ。いろんなヴィーガン寿司を考案してみてね!

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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